Season4-20 数字は絶対か?

コンペ案件のプレゼンはもちろん、お客様に何か提案するときばかりではなく、社内に対して何かお願い事があるときでも、数字を使った説明のほうが説得力がある。という話はよく聞きますよね。確かにその通りだと思います。ただ、数字に騙されないでね、ということを今回はお伝えしようと思います。その人に騙すつもりはなかったとしても、結果的に数字を使った資料に騙されてしまうことって実はあります。どういうことでしょうか。

例えば、食品メーカー「いろは食品」の営業マンが数字の入った資料を使って、Aスーパーのあなたに、いろは食品のペットボトル取り扱いをお願いしてきたとします。その時に使ったのが「Bスーパー ペットボトル売上ベスト10」なる資料だとしましょう。

「今回、取り使いをお願いしたいペットボトルはBスーパーさんでは9位、10位に食い込んでいます。御社でも取り扱いをしたほうが良いですよ、ぜひよろしくお願いします。」

と数字を示してあなたに説明したとします。そこであなたは

「Bスーパーさんでそんなに売れているのならうちでも扱おう、実績が数字に表れているから安心だ」

なんて考えたりしますよね。

思いっきり注意していただきたいのがここです。示してもらった資料は数字をもって説明してあり信用できます。(この数字が偽造だったらお手上げですがそんなことは無いとします。)であればあなたはこの数字で説明された資料を信じますか。そして営業マンの言う商品を扱いますか?

ここで数字に騙されないようにして欲しいのは「Bスーパーの売り上げベスト10に出てくる商品はBスーパーにならんでいる商品だけ」ということです。世の中にはBスーパーで取り扱っていないもっと売れているペットボトルがあるかもしれんせん。もしそのペットボトルをBスーパーが扱っていたら、いろは食品のペットボトルはBスーパーで売り上げベスト10に入っていないかもしれないのです。これが数字に騙されないようにして欲しいということです。

逆に言うと、売り上げベスト10ではなく「売り上げ1位から最下位まで掲載した表」であれば、こんなに信用できる数字はありません。そうです、売り上げ上位の話ではありません。売上が下位の商品の話です。これはもう間違いなく死筋商品です、何らかの対策をするか取り扱いはやめるべき商品です。

いかがですか、嘘偽りのない数字が記載された資料や、数字による説明。鵜呑みにしては危険だということをお判りいただけたでしょうか。わかり難い説明で申し訳ありません、ニュアンスだけでもくみ取っていただければと思います。相手にだますつもりがなくても起こりうるのでご注意ください。

ちょっとひどい、ひねくれた見方をすると「数字はうそをつきません。でも、うそつきは上手に数字を使うかもしれません」

それと、「ライバルスーパーの実績を漏洩するなんて許せん」というご指摘、これはもっと良い例えで説明できなかった私の文才のなさなのでご容赦ください。


共立アイコム課題解決部

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