DXの実話③ DXの功と「ザイ」

こんにちは。DXシリーズは終わろうかと思っていましたが、アフターコロナの今、急速にDXを進めていった企業様と話を聞いていく中、共通する「ある課題」がいくつか見えてきました。DX、DXと新聞紙上を賑わせておりますが、現場レベルで何が起こっているのか。功とザイの両面からお伝えできればと思います。


本記事でお伝えすること

● 経営の見える化は重要なデータ分析
● 数字の見える化はモチベーションアップ/評価にもつながる
● 中の視点だけでなく、外の視点を忘れずに


「データ」分析

ある企業では、基幹システムにおける経営の見える化が進み、データを活用した戦略立案に乗り出そうと、分析を開始しました。Excel、関数を駆使し、グラフを作成し、データの見える化を進めていきました。必要なデータは、クラウド上で全社員に公開され、誰でもいつでもデータを閲覧できる、情報の透明化が進んでいきました。当然、「効率化」という観点で様々な取り組みがなされ、一定の成果を上げていきました。

「数字の見える化」によって、社内・業務の改善結果が数字で判別できるので、取り組む社員のモチベーションアップにもつながっていきます。逆に数字という「共通のものさし」がなければ、様々な戦略も全社戦略として取り組むことができません。この「数字の見える化」については、スモールスタートで始めていくことをオススメします。


一方で、注意しなくてはいけない点があります。それは、「社内の数字」だけにフォーカスされてしまう傾向があることです。数字の見える化は、様々な恩恵を受けることができますが、改善の対象が効率化を中心とした社内の業務でしかない状況に陥りがちです。ここで重要なことは、「評価」の視点です。数字は達成度がわかりやすく、「やったかやらなかったか」が判断しやすいので、目標設定においても重要な指標です。ここで考えておきたいのが、「量的指標」しか見えなくなる怖さです。数字は魔法の道具とも言われます。「統計データ」が最たる例です。数字で示されると納得感があり、提案書でも統計資料を入れることの重要性が語られています。


さて、話を戻すと、以上のことから、データ分析の「ザイ」の部分は、外(市場)が見られなくなりがちです。「戦略」を考えるときも社内の売上状況の延長線で戦略を考えていくため、「市場のニーズ」とのギャップが出てきます。そのまま議論が進んでしまうと、一時のバブル的な売上だったのにも関わらず、その分野の伸長を図ろうとして人材を雇ったり、スキルに乖離が出たりと、半年後、一年後を考えると、非常にリスクだとご理解いただけるかと思います。


先般、2023年の中小企業白書がオープンになりましたが、そこでも、企業における戦略の重要性が語られています。数字が見えやすく、見えてくれば取り組みやすいのが、「中の数字」、数字が見えづらいのが「外の数字」です。自社について中からも外から見る両軸の視点を忘れずに分析にトライしていただければと思います!

長くなりましたが、経営の見える化、データ分析についてお伝えいたしました。

共立アイコム課題解決部

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